岩国市ミクロ生物館

岩国市ミクロ生物館 メールマガジンバックナンバー

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 このメールは、過去にミクロ生物館主催の行事に
 参加された皆様、およびミクロ生物館からの情報
 配信を希望された皆様にお送りしています。各種
 お問い合わせ、配信停止についてはこのメールの
 後方をご覧ください。
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■━━  岩国市ミクロ生物館ニュース  ━━■
      ---  第 3 1 号  ---

  * * * * ミクロの世界にようこそ! * * * *

“本誌はミクロ生物好きな方のネットワークづくりの
サポートを目的として発刊されました。ここでしか
得られない情報など特典盛りだくさんで毎月26日
(26日が火曜日の場合は27日)に配信致します。
ぜひご活用ください!”

<目次>

☆ミクロ生物スペシャルコラム
 “ミクロ生物の探検のすすめ”
   茨城大学 理学部 准教授  菅井 俊郎

1】8月9日、10日の科学の祭典in岩国に出展します

2】館内の展示・生物が増強されました!

3】6月26日から7月25日までのミクロ生物館 NEWS

◎ 編集後記


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      ミクロ生物スペシャルコラム
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     *** ミクロ生物の探検のすすめ ***

  菅井 俊郎 (SUGAI, Toshiro)
           茨城大学 理学部 准教授

 私が,最初に大学に就職した時、ユニークな学生が
いました。彼がいうには「生物は生きているから生物
なので、死んだものは死物であって生物ではない、
固定して調べるのは死物学である」。生物学の歴史を
知らない何ともむちゃくちゃな話ですが,最近、共感
を覚えるようになりました。

 生物は、活動状態にあるのがもともとの姿で、
それがつかまえにくいから、固定したり、細胞のなか
のオルガネラを単離して調べたりしました。分子
生物学が発達して、多種多様な生物のゲノムが解読
されています。それから遺伝子やタンパク質を網羅的
におさえて性質を調べても、結局は生きている細胞の
中で、あるタンパク質がある場所や、それが移動する
様子、他のタンパクとの結合などを、時々刻々追う
ことになります。今までの固定してからの方法から
得られない、生き生きした生き物の姿がわかります。

 私の研究材料は、テトラヒメナという原生生物です。
この生物は、ミクロ生物(=単細胞生物)でのモデル
生物で、ゲノム解読も終わり、かなり徹底的に研究
されてきました。リボザイム(酵素として働くRNA)
の発見でノーベル賞が出たり、テロメア(染色体の
末端部分)とテロメラーゼ(テロメア領域の特定の
塩基配列を合成し、染色体の安定に寄与する酵素)の
発見や、今流行のエピジェネティックス(ゲノムDNA
とタンパク質などからなるクロマチンへの修飾により
行われる遺伝情報発現制御)のきっかけを作った研究
が行われた生物です。ゲノム解読も終わり、かなり
徹底的に研究されてきました。

 ある時、核の形についてアメリカの研究者と論争に
なりましたが、水掛け論になり結論が出ませんでした。
核を見るなんて単純で、核を染色してみればいいの
です。核は核膜という膜に包まれていますが、
光学
顕微鏡で見るときの、核染色というのは、
核の中身
のクロマチンやDNAを染めていて、核膜はわかりま
せん。
つまり、光学顕微鏡では、核の正確な形は、
実はわからないのです。
この膜を見ようすると電子
顕微鏡で見る事になります。ところが、電子顕微鏡
では、核が細長くなると全形がわからなくなります。

 結局、綺麗にした細胞で、DNAや核膜を特殊な色素で
染色して見ると、核の形とその変化をずっと観察
できることがわかりました。その結果、核の形が
予想外なものだったことやかなり短時間で進行する
新しい時期が沢山あり、今まで固定して調べていたの
ではわからなかった現象が現れました。

 この経験は、私にとってすごく面白く、今まで
徹底的に研究された種類でも、少し見方を変えれば、
観察だけで新しい発見ができるということを教えて
くれました。よく調べられてきたゾウリムシでも、
やはり新しい現象が発見できました。

 テトラヒメナやゾウリムシが属しているミクロ生物
の世界はとても広いもので、私たちが今まで習って
知っている生物のグループは、これに比べたら小さい
世界です。しかし、ミクロ生物の世界がどんなに広大
なのかは、研究者が少なくてよくわかっていないの
です。まるで、人が住んでいない大陸が発見された
ようなものです。まだほとんど探検されてない、
未開拓の世界です。しかもよく調べたつもりの所でも
大きな見落としがありました。 この世界には、
沢山の人が入っても発見し尽くせないような、面白い
ものが待っています。ミクロ生物館は、ここへの
入り口です。簡単な用意と、顕微鏡を持って探検に
でかけませんか。


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1】8月9日、10日の科学の祭典in岩国に出展します

8月9日(土)、10日(日)の2日間、岩国市由宇町
の銭壺山上にある“山口県ふれあいパーク”にて、
“青少年のための科学の祭典 in 岩国”が開催され
ます。

ミクロ生物館も“ミクロの世界をのぞいてみよう”
という名前で、顕微鏡で観察した生物を写真撮影
し、それをカードにしてプレゼントするブースを
設けます。

イベントの詳細につきましては、以下のアドレス

http://www10.ocn.ne.jp/~furepaku/science08.html

をご覧下さい。

当館のブース以外にも面白いブースが目白押しで、
しかも無料ですので、皆様ぜひご参加ください。
お待ちしております。


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2】館内の展示・生物が増強されました!

前号で予告しておりました館内展示の増強が、無事
に夏休み前に完了しました。展示室の半分を占める
スペースに顕微鏡がずらりと並ぶ様は、なかなか
壮観です。展示生物の種類が増えたことにより、
これまでより一層、微小生物の多様性が伝わるよう
になればと期待しています。

また、顕微鏡展示ほど派手に変化していませんが、
ポスター展示や映像展示につきましても、お子様
でもわかりやすく、かつ大人も楽しめるものを
目指し、日々、改良作業を進めています。近く
大規模な改良も予定しています。

というわけで、オープン時からかなり変化(進化)
した当館を存分に楽しむための順路を以下にご紹介
します。
※ ( )内は所要時間の目安です。

1)
交流館入り口からミクロ生物館入り口に続く通路に
点在する“走査電子顕微鏡で撮影した微小生物写真
の数々”を眺め、微小生物たちの不思議な姿を堪能
しましょう。(5分)

2)
迫力の映像番組で、微小生物たちの暮らしぶりや
生態系における役割について楽しく学びましょう。
(60分)

3)
微小生物たちの“生きている”姿を、顕微鏡により
じっくり観察し、スケッチしましょう。(20分)

4)
ポスター展示から、生き物の多様性や意外なところ
で大活躍する微小生物たちについて学びましょう。
(10分)

5)
最後に“来館者アンケート”に感想や要望等を
記入しましょう(運営の参考になりますので、ぜひ
お願いします)。(3分)

6)
交流館入り口にある“ミクロ生物館オリジナル
グッズコーナー”の商品や書籍もぜひご覧下さい。

次回ご来館の際は、この順路を参考にしていただく
ことで、当館の展示の全てをご堪能いただければ、
作った側として、これ以上の幸せはございません。

今後も皆様のご意見を参考に、展示の充実に努めて
まいりますので、どうぞよろしくお願い致します。


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3】6月26日から7月25日までのミクロ生物館 NEWS

※ 詳細は各記事下のURLをご参照ください。

<< 7月6日(日)
ふれパク自然塾ホップ参加者がミクロ生物の観察
http://shiokaze-kouen.net/micro/news/page329.html

<< 7月20日(日)、21日(月)、24日(木)
7月の体験学習会「海のミクロ生物探検」を開催
http://shiokaze-kouen.net/micro/news/page330.html


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  編集後記
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 例年、夏は当館にとって最も忙しいシーズンに
 なるのですが、オープンから丸3年が経過した
 今年は、特に凄いことになっております。
 恒例の体験学習会に加えて、自由研究、高校の
 理数科や科学部等の研究活動、科学の祭典への
 出展、それに、水面下で進行中のプロジェクト
 の数々など、数えあげると限がありません。
 おかげで私自身、この夏は一瞬たりとも頭を
 休める暇が無いほど多忙を極めておりますが、
 これが意外と心地良く、毎日達成感に満ち溢れ
 ています。この勢いを衰えさせることなく、
 夏以降も企画展の開催や映像展示の増強・改良
 など、更なる魅力増強に努めてまいります。
 どうぞご期待ください。     (末友)
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●岩国市ミクロ生物館 お問い合わせ先
 住所:〒740-1431
 山口県岩国市由宇町有家浦
 潮風公園みなとオアシスゆう 交流館内
 Fax:0827-62-0156(24時間受付)
 E-mail:micro@shiokaze-kouen.net
 Website: http://shiokaze-kouen.net/micro

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●次号の配信日は 8月27日です。お楽しみに!

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岩国市ミクロ生物館ニュースは、これからも
内容の充実に努めてまいります。
皆様のご意見、ご感想等、お待ちしております。
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発信元: 岩国市ミクロ生物館
メールマガジン担当: 末友 靖隆(専門職員)

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