岩国市ミクロ生物館

岩国市ミクロ生物館 メールマガジンバックナンバー

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 このメールは、過去にミクロ生物館主催の行事に
 参加された皆様、およびミクロ生物館からの情報
 配信を希望された皆様にお送りしています。各種
 お問い合わせ、配信停止についてはこのメールの
 後方をご覧ください。
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■━━  岩国市ミクロ生物館ニュース  ━━■
      ---  第 2 5 号  ---

  * * * * ミクロの世界にようこそ! * * * *

“本誌はミクロ生物好きな方のネットワークづくりの
サポートを目的として発刊されました。ここでしか
得られない情報など特典盛りだくさんで毎月26日
(26日が火曜日の場合は27日)に配信致します。
ぜひご活用ください!”


<目次>

☆ミクロ生物スペシャルコラム
 “ミクロ生物が人類を救う?”
  山口大学大学院理工学系研究科 准教授 堀 学

1】潮風公園に“ミクロ生物館オリジナルグッズ
  販売コーナー”がオープンしました

2】原生生物DVD第二弾“繊毛虫のなかまたち”は
  2月上旬より販売開始!

◎ 編集後記


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      ミクロ生物スペシャルコラム
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   ***** ミクロ生物が人類を救う? *****

 堀 学 (HORI Manabu)
    山口大学 大学院理工学系研究科 准教授

 皆さんは、難病と呼ばれる治療の難しい病気の研究
に、ミクロ生物が活躍していることをご存知でしょう
か? ミクロ生物は、繊毛虫類(せんもうちゅうるい
:ゾウリムシのなかま)、べん毛虫類(べんもう
ちゅうるい:ミドリムシのなかま)、肉質虫類(にく
しつちゅうるい:アメーバのなかま)の3つの
グループに分けることができます。大部分のミクロ
生物が、体の表面に繊毛(せんもう)やべん毛(べん
もう)を持つ繊毛虫、べん毛虫の仲間です。繊毛と
いうのは、ミクロ生物の泳ぐ力を生み出す細胞小器官
で、直径がおよそ0.2マイクロメートル(1万分の2mm
!)、長さが10〜20マイクロメートルのとても細くて
短い毛のようなものです。べん毛は繊毛と同じ構造
ですが、繊毛よりも長いもののことをべん毛と呼んで
います。ミクロ生物館ニュース第24号の“「 9 」
の謎”で、東京大学の廣野雅文先生が紹介された
ように、ほとんどの生物が繊毛やべん毛を持って
おり、どの生物が持つ繊毛やべん毛も、その構造が
とてもよく似ています。

 私たち人間も、体の中にたくさんの繊毛やべん毛を
持っており、生きていく上でとても大切な役割を
果たしています。たとえば、気管の繊毛は、ノドに
入ったばい菌を体の外へ(口の方へ)追い出す役割を
持っています。しかし、繊毛の動きが悪くなると、
ばい菌を追い出せなくなるために、さまざまな病気
(感染症)にかかりやすくなります。また、私たちの
体が作られる過程では、繊毛が体の中に水流をおこす
ことがとても大切です。この時に、繊毛の動きが
悪くて水流が作れないと、心臓や内臓の場所が逆に
なったりします(内臓逆位)。このような病気は、
繊毛やべん毛に関係している遺伝子に異常(変異)が
起こり、その産物であるタンパク質が正常に機能
しないために起こります。しかし、生きている人間の
体の中をミクロのレベルで観察して、効果的な治療法
を見つけることは、とても困難です。そこで、簡単に
繊毛やべん毛の動きが観察できるミクロ生物を使って、
ヒトの難病の研究をしようという試みが始まりました。

 ゾウリムシは、体の表面に約1,000本の繊毛を持ち、
顕微鏡で簡単に観察できることから、昔から繊毛や
遊泳行動に関する研究が、たくさん行われてきました。
私たちは、ヒトの難病に関係している遺伝子が機能
できないようにしたゾウリムシを使って、繊毛の形や
動きがどうなるかを調べています。その結果、
これまでわからなかったことが、ゾウリムシを研究
材料に使うことで、だんだんわかるようになって
きました。また、ゾウリムシとヒトの遺伝子を使って、
新しい治療法の開発も少しずつすすんできています。

 このようなヒトの難病に取り組んでいるのは、
ゾウリムシだけではありません。同じ繊毛虫のテトラ
ヒメナやべん毛虫のクラミドモナスやトリパノソーマ
(眠り病の病原体)も活躍しています。また、皆さん
よくご存知のように、ヒトの病気だけではなく、
傷ついた地球の治療(?:環境保全)にもミクロ生物
は活躍しています。私たちの身の回りで、人類や地球
を救うために日夜働いてくれている、「縁の下の
小さな力持ちたち」をもう一度見直してやって下さい。


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1】潮風公園に“ミクロ生物館オリジナルグッズ
  販売コーナー”がオープンしました

大学の先生や主婦の方、学校の先生など、さまざまな
分野で大活躍される有志の方々の温かいご協力により
その種類、数を増やしてきたオリジナルグッズたち。

その多くが手作りということもあり、これまでは在庫
確保の面から、店頭にたくさん並べることができま
せんでしたが、関係者の皆様の多大なご協力により
この問題が解消され、ついに、オリジナルグッズ
コーナーの設置が実現する運びとなりました!

当館ホームページでは販売していない商品も取り揃え
ておりますので、広島・山口観光に来られる際は、
岩国市由宇町の“潮風公園みなとオアシスゆう”に
ぜひお立ち寄りください。

皆様のお越しを心よりお待ち申し上げます。


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2】原生生物DVD第二弾“繊毛虫のなかまたち”は
  2月上旬より販売開始!

皆様大変長らくお待たせ致しました。 原生生物DVD
第二弾“のぞいてみよう 川・池・田んぼ 繊毛虫の
なかまたち(1)”がついに完成の運びとなりました。
ディスクのジャケットデザインも完了し、第一弾、
第二弾ともに、中身だけでなく、見栄えも良くなり
ました。 2月上旬より、当館の“オリジナルグッズ
販売コーナー”にて販売する予定です。
(予価1,500円)

原生生物DVD第二弾に登場する生き物は以下の通り
です。

ゾウリムシ・ミドリゾウリムシ・ツリガネムシの
なかま・ソライロラッパムシ・ロクロクビゾウリ
ムシ・ユープロテスのなかま

学校の授業にも、癒し目的にも最適な内容となって
おります。 肉眼ではみることのできない世界の
魅力をぜひ体感してください。


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  編集後記
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 今年はミクロ生物館にとって飛躍の年です。
 まだ公に詳しくお話しすることはできませんが、
 小粒でもピリリと辛い、山椒のような科学館に
 成長させるべく、水面下ではさまざまなプロ
 ジェクトが着々と進行しております。
 水面下といえば原生生物です。こんな寒い時期
 でも、池の水や海の水をひとすくいすると、
 意外にたくさんの原生生物たちの元気な姿を
 観察することができます。夏にはあまりみられ
 ない生物も観察できますので、皆様もプランク
 トンネット片手に野外採集されてみてはいかが
 でしょうか。最後になりましたが、本年もよろ
 しくお願い申し上げます。  (末友)
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●岩国市ミクロ生物館 お問い合わせ先
 住所:〒740-1431
 山口県岩国市由宇町有家浦
 潮風公園みなとオアシスゆう 交流館内
 Fax:0827-62-0156(24時間受付)
 E-mail:micro@shiokaze-kouen.net
 Website: http://shiokaze-kouen.net/micro

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●次号の配信日は 2月27日です。お楽しみに!

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岩国市ミクロ生物館ニュースは、これからも
内容の充実に努めてまいります。
皆様のご意見、ご感想等、お待ちしております。
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発信元: 岩国市ミクロ生物館
メールマガジン担当: 末友 靖隆

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