岩国市ミクロ生物館

岩国市ミクロ生物館 メールマガジンバックナンバー

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 このメールは、過去にミクロ生物館主催のイベントに参加され
 た皆様、およびミクロ生物館からの情報配信を希望された皆様
 にお送りしています。各種お問い合わせ、配信停止については
 このメールの後方をご覧ください。
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■━━━━━  岩国市ミクロ生物館ニュース  ━━━━━■
         ---  第17号  ---

* * * * * * ミクロの世界にようこそ! * * * * * * *

“本誌はミクロ生物好きな方のネットワークづくりのサポートを
目的として発刊されました。ここでしか得られない情報など特典
盛りだくさんで毎月26日(26日が火曜日の場合は27日)に配信
致します。
ぜひご活用ください!”


<目次>

 ☆ ミクロ生物スペシャルコラム
    “ゾウリムシの行動研究との出会い”
         富山大学大学院理工学研究部 (理学)
                   准教授  野口 宗憲

 1】原生生物カードゲーム第2弾セットの販売を開始しました!

 2】原生生物を使った生物学習キットの販売を予定しています

 3】6月、7月のミクロ生物館体験学習会開催日のお知らせ

 4】原生生物の紹介TV番組が6月より放送開始予定

 ◎ 編集後記


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       ミクロ生物スペシャルコラム
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    ***** ゾウリムシの行動研究との出会い *****

  野口 宗憲 (NOGUCHI Munenori)
       富山大学大学院理工学研究部 (理学) 准教授

 「頭ぶつけた ゾウリムシは ちょいと後ろへ バックする
ぱっと出るでる 活動電位 流れるイオンは カルシウム ♪」
という歌詞をご存じでしょうか。東工大・本川達雄先生の初期
の教育的名曲「チャンネル音頭」の一節です。原生生物の代表
ゾウリムシの典型的な行動を良く表現しています。私が、この
仕組みを解明しようとして早くも30年以上たってしまいました。

 事の発端は、私が九州大学理学部の大学院修士課程を修了して、
たまたま富山大学に就職したときにさかのぼります。学生時代は
昆虫の味覚の研究をしている研究室に所属しバクテリアの味覚
(専門的には化学走性のこと)の研究に取り組みました。さて、
富山に来て研究を始めようとしましたが、それまで使用していた
ような機器も研究費もありません。利用できそうだったのは学生
実験用の顕微鏡1台でした。お金をかけずにできる研究はない
ものかと考えていて思い出したのが、学生時代にゼミで紹介する
ために読んだゾウリムシのトリトンモデルの論文でした。この
Scienceの表紙を飾った論文はカルシウムイオンがゾウリムシを
バックさせることを証明した内容でした。そうだ、ゾウリムシ
ならお金もかからないしこれを研究テーマにしようと考えました。
ちょうどその頃、この論文の著者の内藤豊先生がカリフォルニア
から筑波大学に赴任されましたので、手紙を差し上げて、何度か
筑波大学に教えを請いにうかがったところ、ゾウリムシの生理学
について親切に教えてくださいました。先生は、私のゾウリムシ
研究の大恩人なのです。

 そのようなわけで、ゾウリムシがバックする仕組みを中心に、
運動の調節(ゾウリムシは繊毛という運動装置で泳ぎますから
繊毛運動の調節の仕組みということになります)の仕組みを研究
し、いろいろなことが分かってきましたが、最初の目標であった
カルシウムイオンによる調節の細かい分子的な仕組みは、いまだ
に解明できていません。このような研究の方法の一つとして今
でも有効なのは、前に述べた「トリトンモデル」です。これに
ついての中高校生向きの簡単な漫画による説明が私どものウェブ
サイト
http://www.sci.u-toyama.ac.jp/env/dream95/model.html
にありますので興味をお持ちの方はご覧ください。

 私がゾウリムシを使って研究してきた経緯をお話ししましたが、
原生生物研究のご縁で今年11月に富山大学において日本原生動物
学会の40回目の大会を開催することになりました。多くの方の
ご参加をお待ち申し上げます。大会のホームページは
http://www.sci.u-toyama.ac.jp/~proto/index.html
です。今年の大会の特別講演は、Vermont大学のJudith Van
Houten先生の予定です。先生は、ゾウリムシの「味覚」の研究の
第一人者です、そう、ゾウリムシは頭をぶつけるというような
機械的な刺激だけでなく、いろんな化学物質を感じる能力も持っ
ているのです。しかも、その情報を利用して、いろいろな行動を
するのですから単細胞生物とはいえすごい能力を持っています。
生き物って本当に不思議ですね。


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1】原生生物カードゲーム第2弾セットの販売を開始しました!

原生生物カードゲーム“単細胞遊戯マイクロ王”の第2弾セット
の販売が遂にスタートしました!
第1弾だけでは物足りなく感じた皆様も、これで大満足間違い
無し!
第1弾、第2弾セットを揃えたあなたはもう立派な原生生物の
研究者です!
知れば知るほど深みを増す原生生物たちの世界に、皆様もぜひ
足を踏み入れてみてはいかがでしょうか。

あまりの人気に品切れで通信販売受付を停止していた第1弾
セットも販売再開されました。こちらも合わせてどうぞ!


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2】原生生物を使った生物学習キットの販売を予定しています

ミクロ生物館では、ゾウリムシやミドリムシなど、原生生物を
利用した各種学習教材の開発を予定しています。
今まで大学の実習でしか行われて来なかった、生物の本当の
面白さ・凄さを実感できる本格的な実験が、小・中・高等学校
やご家庭で気軽に実施できるようになります。

本教材に関する詳しい内容や、販売開始時期に関しては、当館の
ホームページにて随時告知致します。

先月のメールマガジンでお伝えしましたDVDにつきましても、
間もなく一般販売を開始します。こちらも教育に、趣味に、
ご活用いただけましたら幸いです。


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3】6月、7月のミクロ生物館体験学習会開催日のお知らせ

6月、7月のミクロ生物体験学習会は以下の内容で実施します。

6月23日(土)、24日(日)
7月28日(土)、29日(日)

時間: 16時〜17時30分 (6月23日のみ15時〜16時30分)
定員: 各4組様 (1組あたり4名様まで)
参加費: 1組につき800円

詳細情報・ご予約は電話( 0827-62-0155 )、またはホーム
ページ
http://shiokaze-kouen.net/micro/info/page126.html
をご覧ください。

自由研究などで参加されるなら、夏休みに入る前のこの時期が
お勧めです。8月は早期に予約枠が埋まってしまう恐れがござい
ます。

皆様のご参加、心よりお待ち申し上げます。


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4】原生生物の紹介TV番組が6月より放送開始予定

岩国市のケーブルテレビ放送で、ミクロ生物館で撮影した様々
な微小生物たちの姿を紹介するTV番組が6月より放送される予定
です。岩国地域在住の皆様はご期待ください。


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  編集後記
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  今号よりメールマガジンの製作に使用しているフォントを、
  これまでのプロポーショナルフォントから等幅フォントに変
  更しました。読み易さの向上を狙ったものなのですが、環境
  によっては、プロポーショナル形式に変換されて読み込まれ
  てしまう場合があることが判明してしまいました。そこで、
  デザインの崩れが気になる方のために、Outlook Expressで
  の設定方法をお伝えします。方法は次の通りです。“オプシ
  ョン”の“読み取り”タブ中の“フォント”の設定で、“プ
  ロポーショナルフォント”の読み取りに“MSゴシック”を
  使用するよう設定します(初期設定ではMSPゴシックになっ
  ています)。
  ひとえにパソコンといっても、人の個性に負けないくらい
  バリエーション豊かなことから、どの環境でも同じように閲
  覧できるような文書を作るのは難しいと再認識した次第です。
  デザイン面の改良に関して、何か良い策がございましたら、
  ミクロ生物館までぜひご連絡ください。今後もより良いメー
  ルマガジンになるよう工夫していきたいと思います。(末友)
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住所:〒740-1431
     山口県岩国市由宇町有家浦 潮風公園みなとオアシス
     ゆう交流館内
電話:0827-62-0155(受付時間:9:30〜17:30)
FAX:0827-62-0156(24時間受付)
  E-mail:micro@shiokaze-kouen.net
  HP: http://shiokaze-kouen.net/micro

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●次号の配信日は6月27日です。お楽しみに!

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岩国市ミクロ生物館ニュースは、これからもご提供する情報
やサービスの充実に努めてまいります。皆様のご意見、ご感想
等、お待ちしております。
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メールマガジン担当 (文責): 末友 靖隆

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