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岩国市ミクロ生物館
岩国市ミクロ生物館 メールマガジンバックナンバー
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このメールは、過去にミクロ生物館の行事に参加された皆様、およびミクロ生物館から
の情報配信を希望された皆様にお送りしています。
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■━━━━━━━━━━ 岩国市ミクロ生物館ニュース ━━━━━━━━━━■
--- 第14号 ---
* * * * * * * * * * ミクロの世界にようこそ! * * * * * * * * * *
“本メールマガジンはミクロ生物好きな方のネットワークづくりをサポートすることを
目的として発刊されました。ここでしか得られない特別な情報など、特典盛りだくさん
で毎月26日(26日が火曜日の場合は27日)に配信いたします。ぜひご活用ください!”
<目次>
☆ ミクロ生物スペシャルコラム
“長さ2mのゾウリムシ !?” 東北大学名誉教授 渡辺 彊
1】 “赤潮プランクトンマップをつくる会”公式ホームページは魅力いっぱい!
2】 大好評! “マイクロ王”の第2弾セットがその全容をあらわし始めました!
3】 3月、4月のミクロ生物館体験学習会開催日のお知らせ
◎ 編集後記
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ミクロ生物スペシャルコラム
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***** 長さ2mのゾウリムシ !? *****
渡辺 彊 (WATANABE Tsuyoshi) 東北大学名誉教授
まさか ! こんな大きいゾウリムシがいるわけないですよね ? でも私の目の奥という
か頭の中にイメージするゾウリムシは、2mの時もあれば、場合によっては20mにもなる
のです。
私がゾウリムシと初めて出会ったのは大学1年で受講した生物学実験のときでした。
それから6年後、大学院修士課程を終えて就職した山口大学でゾウリムシとの本格的な
つきあいが始まりました。そしてそのつきあいは昨年3月末に東北大学を退職するまで
の38年間続きました。そのつきあい方は、ゾウリムシの内部構造を様々な方法でみる
ということでした。
ゾウリムシ(Paramecium caudatum)はおおよそ0.2mmの長径なので、肉眼でもかろう
じて見ることが出来ます。もっと大きい原生動物もいればはるかに小さなものもいます
が、どの原生動物でも肉眼での観察は難しく、顕微鏡で拡大してみなければ細胞内の
構造も繊毛の動きもわかりません。
実体顕微鏡ですと10-20倍ぐらいで観察することが多いのですが、この時ゾウリムシ
は2-4mmの大きさに見えることになります。この倍率では大核のような大きい細胞内
構造が見分けられます。しかし細胞にある様々な細胞小器官はもっと倍率をあげない
と見えません。普通の光学顕微鏡での観察では100-400倍にすることが多いので、
2-8cmのゾウリムシとして観察していることになります。このぐらいの大きさですと周り
に生えている繊毛やミトコンドリアなどもわかります。しかし核の中の構造や繊毛の
詳しい構造はわかりません。
可視光線を使って観察している光学顕微鏡に対して、電子顕微鏡は高真空の中で
電子線をつかって細胞を観察します。そのため、電子顕微鏡では残念ながら生きたまま
のゾウリムシを見ることは出来ませんが、解像力が高いのでかなり拡大することが可能
です。実際に観察するにはどうするかというと、まず出来るだけ生きたままの状態を保つ
ように固定という操作を行います。超薄切片法という方法では、固定したゾウリムシから
水を取り除いた後、プラスチックのような樹脂に埋め込み、ガラス板を割って作った
ナイフで数10nm(1nmは1mmの100万分の1)の薄い切片にしてそれを観察試料にするのです。
通常私の研究では数万倍に拡大してみていましたので、仮に1万倍にしますとゾウリムシ
の長さは2mということになります。このぐらい大きいと繊毛の中の構造や大核と小核の
中の構造の違いもわかりますし、超薄切片法とは違う方法では細胞膜内タンパク質の粒子も
観察できます。
そんな訳で、私がゾウリムシの内部構造について考えるときには、私の頭の中で
ゾウリムシは2mにもそれ以上にもなるのです。
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1】 “赤潮プランクトンマップをつくる会”公式ホームページは魅力いっぱい!
ミクロ生物館のクラブ活動“赤潮プランクトンマップをつくる会”待望の公式ホームページが
着々と完成に近づいております。“赤潮プランクトンマップをつくる会”がこれまでに行って
きた、さまざまな活動の情報や、誰でも気軽に学べる赤潮原因生物学習コーナーの他、
山口県東部地域周辺の赤潮注意報や警報情報なども随時公開される予定です。
漁業関係者の方だけでなく、誰もが注意を向けて欲しい身近な環境問題である“赤潮”。
このホームページが赤潮と皆様の間の橋渡しになることでしょう。ご期待ください!
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2】 大好評! “マイクロ王”の第2弾セットがその全容をあらわし始めました!
おかげさまで大好評の原生生物カードゲーム“単細胞遊戯マイクロ王”。皆様お待ちかね
の第2弾セットの完成が近づいてまいりました。第1弾に輪を掛けて深みを増したカードの
数々、全ての知識を身につければ、あなたも立派な原生生物学者です! 正確には申し
上げられませんが、皆様のお手元に届けられる日もそう遠くはないでしょう。
ゲーム性も、手に入る知識も大幅アップの第2弾セット、乞うご期待!
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3】 3月、4月のミクロ生物館体験学習会開催日のお知らせ
冬季はお休みしておりました、ミクロ生物体験学習会ですが、今年も春になるのに合わせ
、開催することになりました。開催日は以下の通りです。
3月31日(土)
4月1日(日)、28日(土)、29日(日)
時間は、15時から16時30分の部の1回構成となります。
各部それぞれ先着順で4組様限定ですので、お申込みはお早めにお願い致します。
(1週間前
詳細情報・ご予約は電話( 0827-62-0155 )、またはホームページ
http://shiokaze-kouen.net/micro/info/page126.html
まで。
皆様のご参加、心よりお待ち申し上げます。
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編集後記
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今年の冬はかなりの暖冬のようです。例年だと3月くらいから多くみられるアメフラシの
産卵も、今年は2月初旬に早くもみられました。冬の間、多くの種が眠っていた田んぼ
や池の原生生物たちも、これからの時期、一気に増殖して、私達を楽しませてくれる
ようになります。特に田んぼの水入れ時期は、原生生物のみならず、田んぼで暮らす
いろいろな生物達の目覚めのときでもありますので、空のペットボトル片手に近所の
田んぼに出掛けてみるのはいかがでしょうか。動物園に負けないくらい楽しい体験が
できること間違い無し! (末友)
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FAX:0827-62-0156 (24時間受付)
E-mail:micro@shiokaze-kouen.net
HP: http://shiokaze-kouen.net/micro
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●次号の配信日は3月26日です。お楽しみに!
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岩国市ミクロ生物館ニュースは、これからもご提供する情報やサービスを充実
させてまいります。ご期待ください。ご意見、ご感想、どしどしお待ちしております。
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発信元: 岩国市ミクロ生物館
メールマガジン担当 (文責): 末友 靖隆
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