活動日誌
更新:2006/4/1
2006.3.24-28 日本生態学会第53回大会

新潟で開催された日本生態学会第53回大会に参加してきました。
生態学会に集まる人たちは、生態学を学んでいる人たちです。
自分の研究や取り組んでいる活動について情報交換をします。
登場する生き物は、植物、鳥、昆虫、ほ乳類、魚類、甲殻類(カニ、ミジンコなど)、軟体動物(貝など)、きのこ、原生生物、細菌、etc....
舞台となる場所も、河川、山、海、田んぼ、湖、土の中、他の動物の体の中、etc....
調べ方もいろいろで、野外で生き物を採集したり、実験をしたり、数式を作ってシミュレーションしたり、etc....
しかし、いろんな材料をいろんな方法で扱いながらも、ある現象について他の生き物や環境との関係によって説明しようという基本方針は同じです。
だから、全然違う研究をしているように見えても、根っこの部分で話が合うのです。
生物同士や環境との結びつきに着目している生態学は、私たちの生活にとても身近なテーマが多いのも特徴です。
来年度の開催は愛媛です。
興味のある方はぜひ参加してみてください。
写真は学会会場から臨んだ信濃川です。
(さ)
更新:2006/3/13
2006.3.11-12 百聞は一見にしかず

ミクロ生物館で開催している“海のミクロ生物採集・観察体験教室”は、参加者のみなさんが実際に海でミクロ生物を採集して顕微鏡で観察する体験教室です。
参加される方のほとんどが、ミクロ生物の採集や詳しい観察を初めて体験される方です。
最初は「何が始まるんだろう」とキョトンとしている参加者のみなさんの顔が、初めての体験に驚く顔、喜ぶ顔、真剣な顔、と様々に変化します。
その瞬間に立ち会っていると、人が何かに興味をもったり夢中になったりするパワーにとても感心します。
そして、今回の体験教室のある出来事で、初めての体験を積み重ねていくうち、また新たな意識が生まれるのだとさらに感心しました。
それは、体験教室が終わった後、採集して残った(観察に使わなかった)ミクロ生物の入った海水を海に返してくる、という参加者の方がいらっしゃったことです。
今回が2度目の参加となる方で、たった1滴の中にもたくさんのミクロ生物が必死に生きている様子を顕微鏡でのぞいているうちに、その水を捨てられなくなったようです。
「自然と生命のつながりや尊さ」について、ミクロ生物館では様々な展示で紹介していますが、ここまでダイレクトに伝わるのは、自分で実際に体験してみること、なんですね。
ぜひ多くの方に体験していただきたいと思っています。
写真は、今回採集した子持ちのエボシミジンコです。
(さ)
更新:2006/2/16
2006.2.15 九州からのお客様

今日は、2人の方が九州からミクロ生物館にやって来られました。
お一人目は、長年医学写真技師として活躍されてきた田中新一さん。
著書「顕微鏡の歴史」や、ご自身が使われていた顕微鏡やその関連品など貴重なものをたくさん寄贈していただきました。
田中新一さんは、すご腕の医学写真技師というだけでなく、メーカーと組んで顕微鏡やレンズの開発にも携わってこられた方です。
これまでやってこられたお仕事に対する並々ならぬ知識と技術、そして熱い思いを感じました。
田中さんのお話や著書「顕微鏡の歴史」は、私たちが当たり前のようにのぞいている便利で高性能な顕微鏡が先人の努力の賜物であることを再認識させてくれます。
お二人目は、長崎で高校の先生をされていた方です。
今度ご自身で出される「ミクロの世界」という本に掲載するミクロ生物の写真を見てほしい、とのこと。
作られた本は販売目的ではなく、地元の学校に配られるそうです。
ご専門は岩石ということで、もともとミクロの世界をご覧になってこられた方ですが、ある一冊の本に載っていたミクロ生物の姿に魅せられたことをきっかけに今回の本の出版を考えられたそうです。
お二人ともたまたま新聞でミクロ生物館を知られて、たまたま九州から同じ日に来られた方ですが、共通点はそれだけではないと感じました。
それは、役職を退かれてからもなおこの好奇心、フットワークの軽さ、情熱をお持ちだということです。
ぜひまたお越しいただいて、いろいろなお話をお聞かせいただきたいと思います。
(さ)