ごあいさつ
まずはミクロ生物に興味をいただいたことに御礼もうしあげます。本館が誕生致しましのは平成十六年の七月のことです。それは国家財政と日本経済の減衰、中央と地方の確執、構造改革の旗印のもと、政府と企業と個人間の精神的実務的格差拡大など、積年の歪みが大きく増徴し、ついに爆発した大変な年でもありました。
それでも"世界初"のミクロ生物館がもたらす社会的利益を考えながら、歯をくいしばって建設実現へと歩を進め、実現した今にして思えば、あの財政難の折、"よくもまあ出来上がったものだ"と感慨に耽っております。
いよいよ"社会のお役に立つ"番です。本館は二名の専門家を常置して以下の点を念頭に置いて活動しております。
- ミクロの生物を通して"命を大切にする心"と"子供の能力"を引き出す「教育」に寄与する。
- ミクロ生物の生態変化で「生活環境」を観察し、情報を発信する。
- 研究参加で世代間、組織間、個人間の交流をはかり、「断絶した人間関係の再構築」もテーマの一つとする。
- 論文発表や書籍発行などで会員や学芸員の「資質向上」をはかる。。
- 大学や水産庁関連研究機関、日本原生動物学会などの協力で「最先端研究と一般社会を結ぶ」役割を担う。
- 生物の調査区域は「岩国周辺と環瀬戸内海」であるが、交流や発信は「世界」を対象とする。
- 必要に応じて環境問題や商品開発にも参加する。
目の前では肉眼では見えなかったはずのアメーバやゾウリムシが"茶碗サイズ"で動き回っています。ご飯も食べ、時折ボトリとウンコも落とす。姿かたちにおもむきあり、しぐさの可愛いい身近な生き物です。
ためしに庭に溜まっていた水を少し持ってきて学芸員に渡してください。すると何も居なかったはずの水から、今度は大きなミドリムシ・・。ミクロ生物館はそんなところです。
なお施設は瀬戸内海ではもっとも美しいとされる防予の島々を望む"海の駅 潮風公園"内にあり、鮮魚レストランや地域特産品などもそろえています。夏は海水浴。少し離れた山上には宿泊施設もあり、休みは親子でミクロ生物研究など企画されてみてはいかがでしょうか。みなさまの積極的なご参加をお待ちしております。
岩国市ミクロ生物館 名誉館長 中島篤巳