岩国市ミクロ生物館

ミクロ生物探検

ノクチルカ(Noctiluca)属

渦鞭毛藻類 (うずべんもうそうるい)/生息場所:海の中/特徴:単細胞生物 、動く

写真ヤコウチュウ
Noctiluca scintillans
細胞の幅:0.15〜20.0mm
世界中の熱帯および亜熱帯域の内湾や沿岸域に分布する。


葉緑体はもたず、主に、けい藻、べん毛藻、小型の動物プランクトンなどを食べている。
細胞の表面はゼラチン質で、全体はほぼ球形。
口の部分がへこんでおり、そこからブタのしっぽのような長い触手が伸びてゆっくりと動く。
この触手でエサをとらえて口に運ぶ。
べん毛は口の下に1本あるが、細胞全体に比べていちじるしく短い。
細胞は淡いピンク色をしており、夏によくトマトジュースのような色の赤潮をつくる。
海水より比重がやや低いので、たいてい海水表面付近に浮遊しており、風で浜辺に吹き寄せられていることも多い。
細胞内に含まれるアンモニアが魚に対して有害であるという報告がある。
物理的な刺激を受けると発光する。
夏の夜、波打ちぎわや船のスクリューなどで水面が青白くチカチカと光る場合、おそらくこの生物である。


写真
写真
ヤコウチュウの赤潮。
(2005年8月・岩国市潮風公園)

ヤコウチュウの発光。
(2007年12月・田布施町沿岸)

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